オイルについて
- おかもと まきこ
- 2021年7月4日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年12月16日
脂質は
体を動かすエネルギーになる他、私達の体にある37兆個の細胞の膜を作っている。
脂質には油と脂がある。
脂…常温で個体、体内でも固まって蓄積しやすい、飽和脂肪酸が含まれている 油…常温で液体、エネルギーとして消費されやすい、不飽和脂肪酸が含まれいる
不飽和脂肪酸の分類
特徴の違いを生み出しているのは脂質の成分である脂肪酸
不飽和脂肪酸―一価不飽和脂肪酸…体内で作ることができる…オメガ9系
∟多価不飽和脂肪酸…体内で作ることができない…オメガ3系、オメガ6系
不飽和脂肪酸を特徴の違いから分類すると
オメガ3脂肪酸…細胞膜を柔らかくする‥魚油、亜麻仁油、エゴマ油、くるみなどナッツ類
オメガ6脂肪酸…細胞膜を固くする‥大豆油、コーン油
オメガ9脂肪酸…オリーブ油
オメガ3と6、細胞膜を柔らかくする、固くする、
どちらが良いということではなく、偏ると細胞膜のバランスが崩れる
バランス良く摂ることが大切
オメガ3よりも6系の油が圧倒的に多く、 現代人は極端にオメガ6系に偏った食生活になっている
このため、オメガ3系の脂肪が健康に良いと言われている
健康に気を使い、オメガ3系の脂肪酸しか摂らないことは健康を害してしまう可能性がある
三大栄養素のうち、糖質やタンパク質が1gあたり約4キロカロリーなのに対し
脂質は1gあたり9キロカロリーも持っている
つまり同じ量を摂取すると、脂質は糖質やタンパク質の倍以上のカロリーを摂ってしまう
脂質を摂りすぎてしまえば、エネルギーとして消費できなかった分だ
体脂肪が増えてしまう。
糖質制限していればお肉をたくさん食べても太らないというのは違う。
1日で必要な脂質量
成人男性で53~93g
成人女性で44~80g
どんな油を重点的に摂取すべきか
オメガ3含有量
魚油…25%(サケ、マグロ、マス、カニ、ムール貝、カキ)
亜麻仁油…60%
エゴマ油…60%
亜麻仁油やエゴマ油に含まれているオメガ3脂肪酸は
αリノレン酸であり体内でEPAやDHAとして使われるのは10~15%にすぎない
つまりEPAやDHAを直接摂ることができる魚油よりは効率が落ちる
現代人はオメガ6系脂肪酸に偏ってしまいがち、その主成分であるリノール酸は
過剰摂取によって、アトピー、ぜんそく、アレルギー系の疾患
生活習慣病、心臓疾患、ガンなどの原因になってしまう
オメガ3系の油は熱に弱く、酸化しやすい
5分程度の加熱調理なら問題なし
加熱調理にはオメガオメガ9系のオリーブオイルが向いている
酸化について
酸化するまでの時間 約98℃で油に空気を吹き込み、油が酸化されて出来る過酸化物の値が100になるまでの時間値が大きい程、風味も安定性も良いと言える。
コーン油21(時間) こめ油20
大豆油14
菜種油17
綿実油13
紅花油7
オレイン酸を含む油は酸化しにくい
こめ油、エキストラバージンオリーブオイルなど
※オレイン酸は不飽和脂肪酸の中では酸化しにくく、体内の悪玉コレステロールを減少させる働きがある。
成分
アマニ油
リノレン酸40~61%、リノール酸15~25%、オレイン酸14~26%等
アーモンド油 オレイン酸65.5%、リノール酸25.7%、パルミチン酸6.5%等 エゴマ油 リノレン酸60%、オレイン酸19%、リノール酸13%、パルミチン酸6%等
エキストラバージンオリーブオイル オレイン酸75.2%、リノール酸7.0%等 くるみ油
リノール酸60%、オレイン酸18%、リノレン酸12%、パルミチン酸7%等
グレープシードオイル
リノール酸67~71%、オレイン酸18~20% 、パルミチン酸6~8%等
ココナッツオイル
ラウリン酸47.7%、ミリスチン酸19.0%、パルミチン酸9.7%、オレイン酸7.1%等
ゴマ油
リノール酸43.9%、オレイン酸39.7%、パルミチン酸9.4%、ステアリン酸5.6%等 米ぬか油 オレイン酸43.6%、リノール酸34.3%、パルミチン酸16.5%等 コーン油 リノール酸54.1%、オレイン酸30.7%、パルミチン酸11.2%等 大豆油(サラダ油、フライ油、ショートニング、マーガリンの原料) リノール酸52%、オレイン酸25.3%、パルミチン酸10.6%、リノレン酸6.6%等 椿油
オレイン酸85%、パルミチン酸8%、リノール酸4%
ナタネ油
オレイン酸64%、リノール酸19%、リノレン酸9%、パルミチン酸4%等
オレイン酸の特徴
血中コレステロールを減らして生活習慣病を予防する働きがあります。「オリーブの原産地である地中海沿岸に住む人に心筋梗塞の発症率が極めて低い」という調査結果があり、オリーブの消費量と心疾患の発症率の低さには深い関係があることが分かりました。ここから、オリーブに含まれるオレイン酸が注目されました。
オリーブ油にはビタミンEやβ-カロテン、ポリフェノール、スクアレンなども含まれていて、酸化しにくいので調理に使うのに適しています。ただ、植物油とはいえ脂肪ですので摂り過ぎは避けて、サラダのドレッシングや炒め物などで利用するとよいでしょう。
リノール酸の特徴
植物油に多く含まれている 不飽和脂肪酸で、オメガ6(n-6)系脂肪酸に属します。人間の体内でつくることが出来ないので、食物からとる必要があり、体の組織が正常に機能する上で欠かせないため必須脂肪酸と呼ばれています。不足すると皮膚障害が生じることがあります。また、血中コレステロールを上げにくいといわれています。グレープシードオイルやコーン油、綿実油、大豆油に多く含まれます。
オメガ6(n-6)系脂肪酸とは
多価不飽和脂肪酸のうち、炭素鎖のメチル末端から数えて6番目の炭素に最初の2重結合がある脂肪酸で、酸化しやすい特徴があります。成長や皮膚の機能維持に必要で代表的なものにリノール酸があり、広く一般の植物油に含まれます。
オメガ3脂肪酸
植物由来
αリノレン酸…アレルギー物質を抑制、血圧を下げる、血栓予防
魚類由来
DHA…脳神経を活性化し記憶力の向上など
EPA…動脈硬化、心筋梗塞、血糖値の改善、ダイエット効果、筋肉痛を和らげる
アマニ油やエゴマ油などの食用油にはオメガ3脂肪酸が含まれていますが、魚介類に多いEPAやDHAとは異なり、αリノレン酸という成分です。このαリノレン酸は、私たちの身体の中でDHAやEPAに変換されないと、良質な細胞膜の材料にはなりません。しかし、その変換効率は5%~10%ほど。また、乳幼児はこの変換能力が成人に比べて低いという報告もあります。できるだけ魚介類を食べるのがオメガ3脂肪酸を効率的に摂ることにつながりそうです。
「眠れなくなるほど面白い脂質の話」など

Kommentit